なぜ『早すぎるプラチカ』が危険なのか?
- 塾長
- 5月1日
- 読了時間: 6分
受験数学の定番問題集
「文系プラチカ」。難関大志望の文系生であれば、誰もが一度は手に取る存在です。
でも、こんな声をよく耳にしませんか?
「早めにプラチカ始めたのに、全然できなかった」
「自信を失って、数学が嫌いになった」「結局、基礎に戻るはめになった」
これは、“早すぎるプラチカ”の典型的な落とし穴です。
プラチカは確かに優れた問題集ですが、それは「正しいタイミング」で使ってこそ真価を発揮します。基礎が固まっていない状態で手を出すと、効果どころか逆効果。
特に文系受験生にとって、数学は苦手意識を持ちやすい教科。そんな中で、いきなり難問に飛び込むことは、自分の武器を鈍らせることにもなりかねません。
次のブロックでは、実際にあった“早すぎたプラチカ”の失敗談を紹介します。
実際にあった「早すぎたプラチカ」で崩れた受験計画
私がこれまで教員をしていたときに目撃した話をします。
■ケース①:共通テストで5割なのにプラチカへ突入(高3春)
大阪市のAくん(文系・東大志望)は、周囲に勧められるまま、高3の春にプラチカを購入。しかし、当時の彼の数学力は、共通テスト模試で5割前後。基本問題すらあやふやな状態でした。
プラチカに取り組み始めたものの、**1問に1時間以上かかる上に、全く手応えがなく、ただ「解説を写すだけ」**の毎日。
「俺、こんなにできないんだ……」という自己否定感が募り、夏には数学そのものを避けるようになってしまいました。
結果、共通テスト本番でも6割に届かず、志望校変更を余儀なくされました。
■ケース②:「先取り」が裏目に出た国立志望のBさん(高2冬)
東京のBさん(理系・京大志望)は、意識高めで「早めに難問に慣れよう」と高2の冬からプラチカをスタート。
ところが、公式や典型問題のインプットが不十分だったため、解法パターンを覚える以前に「何を聞かれているのか」がわからない状態。
それでも「とにかく難しい問題をこなせば実力がつく」と信じて続けていた結果、基本処理が身につかないまま、無駄な演習時間を積んでしまいました。
最終的に、秋になって青チャートに戻ることになり、半年近く遠回りする形に。
共通して言えるのは、「背伸びのプラチカ」が、勉強効率を大きく落とすという事実です。
難しい問題に取り組むことが悪なのではありません。その前に、“やるべきこと”をやったかどうかが問われているのです。
プラチカを始めてOKな生徒の3つの条件
~京大・東大・医学部志望の君へ~
文系でも京大・東大・国公立医学部を目指すなら、数学で他の受験生と差をつける必要があります。そして、そのための教材としてプラチカは非常に有力な武器になります。
ただし、やみくもに手を出しても成果は出ません。“始めてOKな状態”をクリアしていることが前提です。
✅条件①:共通テスト模試で7割以上安定している
プラチカの問題は、共通テストよりも1〜2段階難しい「記述・二次試験向け」。そのため、共通テストで平均7割以上が安定して取れていない状態では、基本的な処理力が不足しており、演習の効果が激減します。
「とりあえず問題を見てみよう」ではなく、基礎が定着してから挑戦することが、最短ルートです。
✅条件②:青チャート例題レベルがほぼ完答できる
東大・京大・医学部を目指すなら、**「青チャートの例題レベルは当たり前に解ける」**という状態が理想。
逆に言えば、チャートの例題でミスが頻発する人は、まだ“応用の土台”ができていないということです。
プラチカを「解けるけど雑になる」くらいの実力がついてから使うのがベスト。
✅条件③:数学を“得点源”にしたいという覚悟がある
プラチカは1問1問が重く、理解に時間がかかります。そのため、**「なんとなく数学が苦手だから頑張ってみよう」**という人には不向き。
むしろ、**「絶対に数学で差をつけて合格する」**という意志と覚悟がある人だけが、最後まで使い切れる教材です。
プラチカを始める時期は、高3の夏以降がひとつの目安です。特に、記述型で高得点が必要な京大・東大・医学部志望者は、“準備を整えてから”使うことで、最大限の効果を発揮できます。
効果的に伸ばすためのプラチカ学習法と注意点
プラチカは、正しく使えば数学を得点源に変える最強の教材です。しかし、間違った使い方をしてしまうと、「時間をかけたのに力がつかない」という最悪の結果を招いてしまいます。
ここでは、実力を引き上げるための具体的な活用法と、やりがちなNGパターンを紹介します。
✅【1日1〜2問】に絞って“深く考える”こと
プラチカは量より質。毎日1〜2問をじっくり考えて解くことが大切です。
ポイントは、**「自力で考える時間を最低15分」**は確保すること。
答えが出せなくてもいいのです。**「どこで詰まったか」「何が分からなかったか」**を分析することで、本当の意味での“数学力”が養われます。
✅解説を読んだら「なぜそうなるか」を自分の言葉で説明する
答え合わせで一番やってはいけないのは、「解説を読んで、なんとなく分かったつもり」になること。
・なぜその発想に至ったのか・他の方法ではなぜダメなのか・この解法の本質は何か?
こうした問いを自分に投げかけながら、ノートにまとめてみましょう。「説明できるかどうか」は理解のバロメーターです。
✅やってはいけないNG例
とりあえず1日5問やるなど、量重視のスピード解き
解説を写すだけで、考えるプロセスをすっ飛ばす
分からない問題を飛ばして「やったことにする」
これらは、すべて**“できるようになった気になるだけ”**です。合格点に届かない受験生ほど、こうした使い方をしてしまっています。
プラチカは、「脳みそに汗をかく」教材。楽ではないからこそ、しっかり向き合えば武器になるのです。
まとめ:自分の学力に合った戦略で逆転合格を狙おう
「周りが使ってるから」という理由でプラチカに飛びつくのは危険です。難関大合格のためには、**“今の自分に合った教材を、正しいタイミングで使う”**ことが最重要。
プラチカは、たしかに素晴らしい問題集です。しかし、それは**「基礎が整い、記述に耐えられる実力がついてから」**こそ真価を発揮するもの。
焦る気持ちを抑え、土台をしっかり固めてからプラチカに挑戦することで、数学を最強の得点源に変えることができます。
📘【体験記】E判定から京大合格!プラチカで数学を武器にした高橋さんの話
高橋さん(京都大学・文学部 合格)は、高3の春時点で模試の判定はオールE判定。数学も共通テスト模試で5割前後しか取れず、完全に苦手科目だったといいます。
しかし、彼は焦らずに青チャートと基礎問題精講で基礎を徹底。夏に共通模試で7割を超えてから、「ようやくプラチカを始めた」そうです。
1日1問、時間無制限で考える。できなければ、なぜ詰まったのかをノートに書き出す。それを半年間、地道に続けました。
すると秋には模試の数学偏差値が70を超え、最終的には、二次試験で数学が得点源に。
「自分のペースで進めたからこそ、ブレずに成績が伸びた」という彼の言葉は、多くの受験生にとってヒントになるはずです。
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